2016年度のMaker Faireで展示できなかった浜松フォトニクスマイクロ分光器を使用した植物生育診断装置を作ってみました。
植物生育診断装置(LED誘起蛍光法)のプロトタイプとして図1のようなものを作ってみました。
図1 植物生育診断装置(LED誘起蛍光法)プロトタイプ
植物生育診断装置(LED誘起蛍光法)の構成は図2のようになる。
図2 植物生育診断装置(LED誘起蛍光法)の構成
①Arduino Uno Rev3:C12666MAとLEDを操作し,スペクトルを取得し,PCへ送る
②ブレットボードシールド:Arduino用のブレットボードシールド。C12666MAや配線をするための基板
③C12666MA:浜松フォトニクス社のマイクロ分光器
④LED:白色,紫外,青色,緑色,黄色,赤色のいずれか
⑤励起光:④のLEDで使用する光。使用する光により⑥の反射光+蛍光が変わる。
⑥反射光+蛍光:使用する光により⑥の反射光+蛍光が変わる
⑦葉等の植物:主に緑色の植物
⑧取得したスペクトル強度:Visual Studio C# 2015で作成したアプリで①を操作し,スペクトルを取得し,波形として表示する。
⑨ノートパソコン:⑧のアプリを動かすためのPC
⑩USBケーブル:①と⑨をつなぐためのUSBケーブル
【技術内容】
農業関係で今回のような光を当て,その反射光等を使用した技術は色々とあり,実用化されている技術としては,農産物の糖度分析,農産物の成分分析(栄養の含有,産地判別)等がある。
今回は,母校の研究室で植物の生育診断,病気(カビの発生)の研究をしていた仲間がいたので,それらのことを簡単に作れないかと思い,作ってみました。
基本は,光を植物等に当てると反射光+蛍光が出る。
ここで蛍光という光を取得できると,生育診断,病気を見たりすることができる。
【実験】
公園の葉っぱを一枚拝借し,白色LEDを用いてスペクトルを取得した。
結果が以下のようなものとなる。
励起光としての白色LEDの光は,440nm,520nmあたりに強度のピークが出る光となる。励起光以外の光は,660nm,680nmあたりにピークが出ているような結果となった。
【成果】
- 励起光とは違う光を取得できていることが確認できた。
- 励起光の種類で結果が変わることを確認できた。
【今後の作業】
- 現在は,手で押さえながら実験しているので,安定した結果得られないので,固定して同じような結果が毎度得られるようにする。
- 植物の成長に合わせスペクトルを取得し,変化を見る(データ取得)
【その他】
今年度のMaker Faireはこの内容と昨年度展示した魚キャッチセンサーの無線版で申請してみたいと考えてます。